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適性検査で求められる作文力とは 2010年5月 文京区 公立中高一貫校

 

塾長トーク 5月

 

 

 

   適性検査で求められる作文力とは

 

 

 公立中高一貫校の設立は、99年にはじまり、2010年度には全国で約190校となりました。文科省は、今後10年間で、500校程度にしていく計画です。この制度は、中学高校の6年間で、計画的・継続的な教育課程を展開し、生徒の個性や創造性を伸ばすことを目的に創設されました。70年代に高校改革の流れがあり、長年にわたる議論をかさね、構想がねられ実現したのです。教育の多様化のひとつであり、さらに言えば、今日的な様々な課題を解決していくようなリーダーの育成を図る国家的プロジェクトでもあるのです。

 

 

 実際に公立中高一貫校を作るのは、地方自治体それぞれであって、形態も「中等教育学校」「併設型」「連携型」と三つのタイプがあり、入学者選抜方法も、各都道府県単位や、各学校独自のものとなっています。建前上「学力試験」は行えないので、「適性検査」と呼ばれる独特の方法がとられています。ひと口に適性検査といっても、実に様々です。調査書、面接、作文、ヒアリング、工作、観察、統計資料の分析、記述で解答させる問題などです。なかでも、作文は、半数以上の学校で行われています。作文でなくとも、記述で解答させる問題が大半を占めますから、記述作文力は必要不可欠であり最低条件です。

 

 

 「適性検査」は、単に知識の量を求めるのではなく、思考力や判断力、それを活かして課題を見つけ分析して解決する力、協調性やコミュニケーション能力など、生徒の「質」が問われる問題になっています。2000年以降、知識の量を求めるような「学力観」に変化が生じてきたことと合わせて、昨今は獲得した知識や技能をいかに活用し創造していけるのかが問われているのです。

 

 「適性検査」が求めているのは、知識をベースとした論理的思考力、つまり、与えられた素材を分析し、筋道を立てて考えて、判断の根拠を明らかにして構成し、他者に伝わるわかりやすい文章に表現できるかどうかということなのです。

 

 

 OECD(経済協力開発機構)による「学習到達度調査」の「PISA型読解力」で、日本の順位は下降を続けています。ここでの定義には、「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれた文章や資料を理解し、利用し、熟考する能力」とあります。日本の生徒の多くは、この分野の白紙解答が多く、「読みとったことを根拠にして、自分の意見や考えを表現できない」のです。

 

 

 この定義は、そのまま、「適性検査」が求めていることに通じます。私立中学の入試問題とは異なり、入学後に「育てたい生徒像」に適合する「資質」を探る選別を行っているのです。人間としての総合力、そのような力を今後身につけていけるかどうかという「資質」が問われているのです。その「資質」をどこで見られているのでしょうか。もちろん、総合的に判断されているわけですが、まさに「文は人なり」の言葉もあるように、記述作文力が大きな決め手になっていることは明らかです。

 

 

 作文の課題は、「自由記述型の作文」と「課題条件の制限された論述作文」とに分かれます。前者は、「?についてあなたはどう考えますか」という、自由に記述する作文です。出されたテーマについて、自分なりにいろいろと考えられるわけですから正解はありません。適性検査にふさわしい出題と言えます。後者は、資料や文章などを読んだ上で、「問題文の要旨に触れながら書きなさい」など、条件を出してそれに関連付けさせながら、あなたの考えを書きなさいという「PISA型読解力」が要求されるものです。ときには、「自分の体験と結びつけながら書きなさい」という表現になっています。一見自由に書いてよさそうに見えても、細かい条件が出されていますから、見落とさずに注意深く問題文を読むことが大切です。いずれにしても、「適性検査」が求めているのは、問題のテーマに対して柔軟に対応し、事実にもとづいて展開を考え、説得力ある文章構成に仕上げた、表現力豊かな迫力ある作文です。

 

 

 そのような作文力は、一朝一夕にできるものではありません。日々の漢字練習からはじまり、ことばに関するいろいろな知識を身につけ、短文作りの練習を重ね、そして、いかなる場合でも「文章語にして語る」ことを日々心がけることです。その上で、「公立中高一貫対策講座」(通信添削もあります)を受講して、記述作文力向上に役立ててほしいと思います。

 

 

2010.08.26  投稿者 ikueigk (22:37) | PermaLink

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